日本、再探紀

日本の魅力を再び、探していくブログです。

2013.09.19 北海道檜山郡上ノ国市〜北海道函館市

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松前藩。



江戸時代、北海道のその過酷な環境下では米を生産することができなかったため無高の藩と奇名をつけられたこの特殊な藩は、南から数えて最後となる、本国最北の藩でした。



米が採れぬおよそ不毛なこの土地に価値を見出し、その眠れる豊かで潤沢な資源にいち早く目をつけたのは、遥か遠く離れた本土は商人の国近江国近江商人だったのです。



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R228を南下中、ふと感ずる方も多いと思いますが、というのもいままでみてきた北海道の地名というのはアイヌ語からの当て字がとても多く、例えば宗谷岬の ”宗谷” なんかは、アイヌ語で ”ソーヤ”、海中の多数の岩を意味しておりますし、それこそ札幌なんかも ”サッポ”、乾燥を意味するといわれているのですが、ここ松前はどうやらそのような由来はなさそうです。

不思議な雰囲気がしましたので、少し寄り道をしてみようと思います。




いかにも江戸時代頃につけられそうな松という文字が含んでおりますが、この松前という土地は、本土から蝦夷の統治を目的にきた、アイヌ民族から致しますと和人がつけた名称のようです。

なのでこの松前という土地は、北海道でありながら、北海道ではないような文化が感じられます。



ていうか、城、あります

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松前城は当然日本で最も北にある日本城。北海道では唯一のお城でもあります。

この城を中心に松前という城下町は、米が生産できない故に農業ではなく、北海道の資源を各地に供給する貿易業を主体に栄華を築きました。


その繁栄は凄まじく、後に幕府がその価値に目をつけ直轄とするほどでしたし、京文化が貿易の中で流通することもあってさながら北の小京都、などと呼ばれていたようです。



とはいえ、米の生産が資本とされていた時代、それが出来ないのは大きな痛手だったようなのですが、それを支えていたのが関西屈指の商人、近江商人なのでした。

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近江とは、私の地元の滋賀の古称ですね。

琵琶湖の西側に鯖街道なる通りが福井の日本海沿岸部まで続いておりますのは、近江商人が都の京都まで、新鮮な鯖をいち早く届けるように作られたからなのですが、何よりその物流業力は群を抜いていたようです。


近江商人は、松前を繁栄させるにあたり日本海を中心に大阪、京都、敦賀、舞鶴、新潟、津軽海峡などをその持前の物流ルートで結びつけ、北海道の資源を全国へと運搬しました。




当時の松前藩も、その優秀な近江商人の商売力に大きく感心し、貿易には近江商人が優遇していたようです。



金の力は政府をも動かしますね。

銭勘定をしながらにやける関西人が目に浮かびます。

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まー、思わぬところで思わぬものが結びついているというのが本当に面白いところで、まさか北海道で近江の名を聞くとは思いませんでした。

それも、本日訪問した松前屋敷松前城松前町郷土資料館ともに大きく取り上げて頂いているようでして、僕自身、近江商人とは直接関係ありませんが、少し誇らしく思えたからなのです。



そして、この近江商人、についても地元民の僕はそこまでのことを知っているわけではありません。せいぜい鯖街道ぐらいですか。

恥じぬよう、近江商人についても知っといたほうが良いでしょうね。




海外へ放浪予定であった僕が日本を周りたいと再考した理由を再確認できたようです。


大船上の湯河川公園にてキャンプ!!



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ちなみに現在も盛んな漁業が行われている松前。

時期がよければ、松前マグロまつりがありますしその他、桜も非常に有名だそうで、品種も様々、開花時期をずらして一ヶ月は見ることができるそうです。

新たに観光業としても歩んでいる松前。
本日の写真も、実物さながらのリアリティを持つ松前屋敷にて撮れました。

もちろん桜は江戸時代、またもや近江商人が持ち込んだそうです。

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松前Tシャツ、勢いで買いました。
デザイン、最高。



再探九十二日目
再探できた都道府県 33 [残り 14]
移動距離 240km [計 11,060km]
出費 ¥5,000 [計 ¥511,400]
(内訳)
・食事代…¥2,300 [計 ¥138,800]
・入浴・宿泊・キャンプ場代…¥400 [計 ¥105,100]
・ガソリン代…¥1,700 [計 ¥66,900]
・衣服・洗濯代…¥0 [計 ¥9.500]
・日用品・雑貨代…¥0 [計 ¥47,500]
・バイク修理・用品代…¥0 [計 ¥46,100]
・レジャー施設使用料…¥600 [計 ¥12,100]
・画材代…¥0 [計 ¥5,900]
・フェリー移動費…¥0 [計 ¥18,700]
・その他…¥0 [計 ¥15,700]
※ 十円以下四捨五入